白樺リゾート観光協会

山野草が芽吹く、春の山へ

白樺湖周辺は高層湿地帯として知られる地域です。今でもときおり沼のようになっている場所に出会います。
そして白樺湖周辺の山野草の芽吹きは、白樺湖に遅い春の訪れを告げるとともに、咲き誇る花々の種類から、湿地帯であるその土地の特性をも再認識させてくれる便りでもあるのです。

日本が誇る高層湿地帯

白樺湖は音無川をせき止め、下流域の水田に太陽で温めた水を供給するためにつくられた溜め池です。造成されたのは、昭和13(1938)年のこと。当時は蓼科大池と命名され、次第に観光や養殖などにも利用されるようになっていきました。
白樺湖ができたことから一見わかりづらくなりましたが、白樺湖周辺は沼地や湿原からなる高層湿原です。高層湿原としては、近隣の霧ヶ峰には八島湿原、踊り場湿原、車山湿原が知られていますが、白樺湖周辺も同じ。開拓の頃、けもの道を一本踏み外せば一面の湿地帯であったそう。吹雪のなか道を踏み外した馬がそのまま横倒しになってしまい、命を落としてしまったこともあるそうです。今ではその面影を知る場所は少ないですが、春の野山を彩るのは、確かに湿地帯に生きる山野草なのです。

白樺湖の春を彩る山野草

山野草

雪融けの水の音が響き、せせらぎや湖の水かさが増していくと、白樺湖に春が訪れます。標高1,416mに位置する白樺湖の春の訪れは遅く、雪が消えるのが4月下旬。6月に霜が降りることも、ままあります。そのなかで季節のうつろい、春の訪れを知らせてくれるのが、山野草の芽吹きです。
最初の芽吹きはおよそ4月末。ザゼンソウやミズバショウ、ショウジョウバカマがほころびはじめ、春の訪れを先頭切って知らせてくれます。5月になると、カタクリ、サクラソウ、ミツガシワ、リュウキンカなどが咲き誇ります。とりわけ黄色の絨毯のように一面を覆いつくして咲くリュウキンカは見事です。6月になるとカキツバタ、コウホネ、ノアザミ、アサザと続きます。
カキツバタやコウホネ、アサザは池や沼などの水の中に育つ山野草。ザゼンソウやミズバショウ、ミツガシワ、サクラソウ、ヒメツルコケモモは湿地の山野草。水中や水辺を好む山野草が多いのは、白樺湖周辺が今も湿地でるということを物語っています。
白樺湖周囲には道も整備され、ホテルや美術館などが建つなかで、白樺湖周辺が湿地帯であることを感じるのは、自然に詳しい人でないと難しいかもしれません。春の訪れを知らせるとともに、古より続く地勢を目に見える形で教えてくれるのが、春の山野草でもあるのです。